「オーラル・フレイル」とは高齢者の口腔機能低下により虚弱や老衰など介護が必要となる一歩手前の段階のことです。
高齢期において人とのつながりや生活の広がり、誰かと食事するなどといった「社会性」を維持することは、活動量、精神・心理状態、歯・口の機能、食・栄養状態、身体機能など、多岐にわたる健康分野に関与することが明らかになっています。
この「社会性」が欠如していくと、低筋力や低身体機能などの「サルコペニア」(加齢性筋肉減弱症)や低栄養などによる生活機能の低下を招き、ひいては要介護状態に陥ることが懸念されています。
65歳以上の約6人に1人が低栄養傾向の危険に直面。
最新の厚生労働省の調査によると、65歳以上の約6人に1人、85歳を超えると約3人に1人が、低栄養傾向という危険に直面しているそうです。
高齢者においては、口腔機能の低下により、麺類や軟らかいものばかりを好んだり、果物や生野菜、肉類を食べなくなると、タンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足し、固いものや繊維質の多いものを食べるのが難しくなるため、食物繊維が足らなくなるなど、栄養バランスが崩れ、栄養が足りてない「低栄養」状態に陥りやすいのです。
イキイキとした生活を過ごすためにも普段から元気な口を保ち、オーラル・フレイルを予防することが重要です。
特に高齢者は適切なケアをすることで病気や介護の予防につなげることができます。
オーラル・フレイルを予防するため、口の機能を維持する対策を早めに始めましょう。口腔機能の低下を起こさないように虫歯や歯周病といった口の中のトラブルだけでなく、しっかり噛めて、飲み込める、元気な口の機能を保つためには、「口の周り」の筋力、「かむ力」「飲み込む力」「口の清潔度」の4つがそろっていることが大切です。