医院ブログ

2015.12.22更新

歯周病は全身疾患と深く関わる病気です。

以下のような、疾患や状態と関わっていることがわかっています。

 

骨粗しょう症

骨粗鬆症と歯周病は一見無関係のように思われがちですが、実は密接な関係にあるのです。骨粗鬆症やカルシウム不足が直接歯周病を引き起こすことはありませんが、歯周病を悪化させる要因の一つになるのです。

 

肥満

メタボリックシンドロームを構成する脂質代謝異常が歯周病の発症や悪化のリスクファクターとなる危険性があります。

 

糖尿病

血糖値が高い状態が続くと、タンパク質と糖が結合した物質が増え、その影響で歯肉の炎症も悪化しやすい。また逆に、歯周病菌が血中で作り出すTNF-αという物質は、血中の糖濃度を制御するインスリンの働きを阻害し、糖尿病を悪化させます。

 

動脈硬化

歯周病菌が血中に入り、心臓の冠状動脈などに感染を起こすと細菌の作り出す毒素や炎症物質によって血栓ができやすくなり、動脈硬化が進む可能性が報告されています。

 

心臓血管疾患

動脈硬化が心臓の冠状動脈に起こると狭心症や心筋梗塞になります。歯周病に罹患していると、心血管疾患の発症リスクは1.15〜1.24倍高まると言われています。また、心臓の内壁を覆っている膜「心内膜」に歯周病細菌などが感染して炎症が起こり、心臓の働きが低下する感染性心内膜炎を起こす可能性があります。

 

脳血管障害

脳血管障害のうち、同じく動脈硬化を基盤に発病する脳梗塞もまた、歯周病と関係があると考えられます。

 

このように歯周病の治療は、単に歯を残す目的だけでなく、血管をきれいにして、病気の始まりの段階をケアする目的が注目されています。

投稿者: 希望ヶ丘デンタル

2015.12.19更新

予防とは・・・むし歯や歯周病にならないように予め防ぐ事だと思われている方が多いと思います。確かにそうなのですが、歯科の治療はすべて予防になるのです。

 

予防には一次、二次、三次予防があります。

 

三次予防

 

従来の被せ物をかぶせる、入れ歯を入れる、悪くなった歯を抜くなどはすべて三次予防になります。いわば機能回復を目的としたものが三次予防といえます。インプラントも最先端の治療といわれますが、やっていることはこの三次予防です。

 

二次予防

 

二次予防はいわゆる「早期発見、早期治療」となります。歯周病の検査やレントゲン撮影などの検査〜虫歯を詰める治療、歯周病の歯石とりなどが二次予防です。

 

一次予防

 

「健康増進、特異的予防」に分類されるものです。「特異的予防」とは、定期的な歯科医院での検診や歯科医院での初期虫歯へのフッ素塗布などで、「健康増進」に分類されるのは生活習慣の改善や食事指導、歯ブラシ指導がこの一次予防になります。

 

患者さんは、詰め物が取れたり、歯が痛くなったり、歯周病で歯がグラグラになってから、ようやく歯科医院に行くことを考えることがまだまだ一般的です。

 

これからは一次予防が重要になってきます。

つまり、虫歯、歯周病にならないための健康増進(生活環境改善、適切な食生活、運動・活動の励行、適正飲酒、禁煙、ストレス解消)と、特異的予防(フッ素、キシリトールの活用、定期的に歯科医院でプラーク、バイオフィルムを落とすことによる虫歯・歯周病のコントロール)を行うことが重要です。

重症化してから治療するよりも、そもそも虫歯にならない、歯周病をコントロールしていた方が、痛みもなく、お金もかからず健康を保つことができます。

投稿者: 希望ヶ丘デンタル

2015.12.11更新

歯は食事をする度に表面のミネラル成分であるカルシウムやリンが溶け出して(脱灰・だっかい)しまいますが、唾液の中にあるミネラル成分によって元に戻ります(再石灰化・さいせっかいか)。このように唾液の中には歯が虫歯にならないように、大量のミネラル成分が含まれています。

 

口の中にプラークが残っているとこのミネラル成分が原因で歯石になってしまいます。プラークの付着後、4~8時間で開始され、約50%が2日間、60~90%が12~14日で石灰化してしまい歯石となります。

 

【歯石がつきやすい場所】

①下の前歯の裏側

下の歯の前歯の裏(ベロの下)には唾液の出口があります。前歯の裏にプラークがあると唾液の成分で直ぐに歯石になってしまうので、歯石が付きやすくなります。その代わりその成分のおかげで歯が溶けても、直ぐに石灰化するので、虫歯にはなりにくい場所です。

 

②上の奥歯の側面

また、上の歯の奥歯の頬側には耳下腺という唾液の出口があります。そこにプラークが残ると直ぐに唾液の成分で歯石になってしまいます。

 

プラークが残らないようなブラッシングをすることと、歯石を定期的(3〜6か月に1回)に取ることが自分の歯でおいしく食事をし続ける秘訣です。

投稿者: 希望ヶ丘デンタル

2015.12.01更新

歯を抜く…と聞いただけで嫌な気持ちになる方も多いと思います。

できるだけ歯は抜かずに残す処置を行うのですが、お口の中の健康を守るために

抜歯が必要になるケースがあります。

 

・虫歯が進行している

 

虫歯が歯の内部や根元まで進行し破壊されている場合、できるだけ根もとを残すために

治療をするのですが、根の先の化膿がひどく骨や隣の歯に影響を及ぼしているときは

抜歯が必要となります。

 

・歯周病が進行している

 

重度の歯周病が原因で、歯を支える歯ぐきや骨などが失われてしまうと、歯がぐらぐらしたり

痛みがでたり腫れたりする可能性があります。

歯周病の影響を大きくしないために、抜歯が必要となることがあります。

 

・歯並びに影響がある場合

 

お子様の乳歯で、永久歯への生えかわりがうまくいかなくなる可能性がある場合は

抜歯をおすすめするときがあります。

 

・矯正治療

 

歯並びの矯正治療をするときに、抜歯が必要となるときがあります。

 

・歯が割れてしまっている

歯の根まで大きく割れていたりヒビがある場合、そこから虫歯や歯周病などの病気に

なる可能性が考えられるときは抜歯が必要となります。

 

・親知らず

 

まっすぐ生えていたり周りの歯に支障がないときは抜く必要はありませんが、

横や斜めに生えていて手前に悪影響になるときや、親知らず自体が腫れたり清掃が難しい

場合は抜歯をおすすめします。

 

歯はできるだけ抜かずに残すことはもちろん大事です。

ただ他の歯を長持ちさせるために抜歯が必要になる場合もあります。

歯を抜く判断は医師とよく相談の上、決めるようにしましょう。

投稿者: 希望ヶ丘デンタル